(3)憲法法源の種類にあるもの
b 憲法判例
※最高裁がその具体的事件の事例において示した、憲法の解釈の基準をいう。
⇒憲法典における形式的効力がある。
(これの解釈を変更する場合は、法令の改正だけでは足りない部分があり、
①憲法改正による方法
②最高裁が憲法の判例を変更という方法
c 憲法付属法
※憲法(近代憲法、実質的な意味の憲法)の法源として位置付けられる法律群のことである。
⇒主に立憲主義の国家の場合に、憲法には国家の基本的な統治の方法や基本的人権の意味合いなど、一般的であり、なおかつ抽象的な内容を定めた上で、憲法の規定を具体化するために、別個に法律を制定する場合がある。
(憲法附属法の改廃によりもたらせる憲法秩序の変動は時として憲法改正よりも重大となりうる)
※日本国憲法の下での憲法附属法に位置付けられるもの
①内閣法や国会法
②裁判所法
③国籍法
④公職選挙法
⑤請願法
⑥会計検査院法
⑦財政法等
※憲法そのものを施行するために必要な法律の制定
⇒憲法の施行前に制定される(日本国憲法第100条第2項)が、この「憲法そのものを施行するために必要な法律」もまた、憲法附属法に位置づけられている。
(第11章補足)
第100条
この憲法は、公布の日から起算して六箇月を経過した日から、これを施行する。
この憲法を施行するために必要な法律の制定、参議院議員の選挙及び国会召集の手続並びにこの憲法を施行するために必要な準備手続は、前項の期日よりも前に、これを行ふことができる。
d 自律的規範
※衆議院規則、参議院規則、最高裁判所規則など
⇒規則とは別であるが、道徳は自分で自分に課する「自律的規範」である。
e 条約
※文書による国家間の合意のこと。
⇒国際法にもとづいて成立する国際的合意であり、国家および国際機構を拘束する国際的文書が条約であると狭く解す場合もある。
f 条理
※言葉の意味としては物事の筋道や道理ということになる。
⇒これは裁判が行われる際に、成文法・判例法・慣習法のいずれにも、その事例が該当する法律が存在していない場合に基準とする事柄であり、その裁判を行っている裁判官自らがその場で条理を基準として裁判の判決を下すということになっている。
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