行政法のお勉強 第6日

6 行政行為の瑕疵

※行政行為は、法令と公益の目的に適合していなければならない。

※行政行為の瑕疵とは、行政行為に法令違法性があり、なおかつ裁量権の行使が不適切な場合に、行政行為に瑕疵があるという。

 ①行政行為を無効とする瑕疵

 ②行政行為を取り消すことができるものにする瑕疵がある


※行政行為の瑕疵

 ・不当の瑕疵 職権取り消し、行政不服申し立てによる是正

 ・違法の瑕疵 最終的に裁判所による是正


行政行為を無効とする瑕疵

• 「行政行為を無効とする瑕疵」とは、違法性の強い瑕疵をいう

⇒この瑕疵により無効となった行政行為は、始めから全く効力を持たないことになる。

(公定力がない)

(裁判によらず、効力を否定できることになる)


※無効な行政行為

①行為者に関する瑕疵

 ※強度の脅迫等、行政庁に全く意思のないままなされた行政行為である。

②形式に関する瑕疵

 ※書面でする必要がある場合に、口頭でなされた行政行為である。

③手続に関する瑕疵

 ※議会の議決が必要である場合に、議決を経ないでなされた行政行為のこと。

③内容に関する瑕疵

 ※内容が不明確な行政行為のこと


※行政行為を取り消すことができるものにする瑕疵

• 「行政行為を取り消すことができるものにする瑕疵」とは、無効になるに至らない程度の軽微な瑕疵のことをいう。

• 取り消されると、最初に遡って無効になる

• 取り消されない限り無効にはならない(公定力が働く)

• 取り消すことができるのは正当な権限を持った行政庁、裁判所

⇒ 瑕疵を争う者は、行政庁に対する不服申立てか、裁判所での取り消し訴訟を選ぶことになる。


《職権による取消しとその制限》

• 行政庁は、自ら進んで取り消すことができる(職権による取消し)

(この場合、法律上の根拠は不要である)

• 行政行為によって利益を受けた者がいる場合は、この者を保護するため職権による取消しをすべきでない場合がある

公益上の必要性が高い場合は、取り消すことができるとする。


※行政行為の撤回

• 「行政行為の撤回」とは有効に成立した行政行為の効力を、その後に発生した新しい事情を理由として、将来向かって消滅させることをいう。

• 撤回することができるのは、原則として行政行為を行った行政庁である。

⇒この場合は、法律上の根拠は不要である。

※上級行政庁(監督行政庁)は、特別の定めがある場合に限って、撤回できるとする。


• 行政行為によって利益を受けた者がいる場合は、この者を保護するため撤回すべきでない場合がある

公益上の必要性が高い場合は、撤回することができることになる。


かいひろし法律の部屋

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