行政法のお勉強 第12日

2 自治立法

自治立法とは

・地方公共団体が、その自治権に基づいて制定する法規をいう。

⇒憲法は、これを総称した意味において条例と呼んでいる(98条)が、地方自治法はこれを条例と規則とに分けて認めている。


①条例

・条例は、地方公共団体が、議会の議決により、法令に違反しない限りにおいて、地方公共団体の事務について制定される。

⇒これには、都道府県議会により制定される都道府県条例と、市町村議会によって制定される市町村条例にわかれる。

・これの根拠は直接に憲法に由来し、地方自治法14条にて、これに関する一般的な規定が設けられる。法律の個別的な委任に基づいて、具体的に指定されている事項につき、条例を制定することができる(地税3条、風俗21条、大気汚染4条1項など)

・条例は通常において、法規としての性質をもつことになるが、なかには行政規則の性質をもつ場合もある。


(1)条例の規定事項

・条例で規定することができる事項は、法令に違反しない限りにおいて、地方自治法の2条2項の事務、いわゆる地域における事務(自治事務)とその他の事務で、法律またはこれに基づく政令により処理する事務(法定受託事務)のすべてに及ぶこととなる。

⇒地方自治法の改正により、機関委任事務が廃止、事務区分も自治事務と受託事務とに再編された。

※これら両事務について、条例を制定することが可能となったのである。

(ア)自治事務

・地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のものである(自治2条8項)。

(都市計画の決定、土地改良区の設立認可、病院・薬局の開設許可など)

※自治事務においては、法令に反しない限りにおいて、条例を制定することができる(同14条1項)。

(イ)法定受託事務

・法律又はこれに基づく政令により都道府県、市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、国が果たすべき役割に係るものであり、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして、法律又はこれに基づく政令に特に定めるものである(自治2条9項1号・2号)。

(国政選挙、旅券の交付、国の指針統計、国道の管理など)

※なお、これには都道府県から市町村への法定受託事務も含まれる。

※法定受託事務についても、法令に反しない限りにおいて、条例を制定することができる(同14条1項)。

※地方公共団体は、これらの自治事務及び法定受託事務について、条例を制定することができるが、ただ義務を課して、または権利を制限するようなときには、法令に特別の定めがある場合を除き、条例によるものとされる(同14条2項)。

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