第3節 刑法の原理
1 「人」に関する法の効力
※原則 - 属地主義
⇒法の効力・適用を、その法が「制定された国の領域内においてのみ」認めるもの。
(日本は、属地主義を原則としている)
※原則の例外
①属人主義
⇒人が本来所属する国の法を、その人がその国を離れた場合にも適用するもの。
②保護主義
⇒「自国・自国民の利益を侵害する重大な犯罪」においては、「犯罪地、犯罪者の国籍を問わず」、自国の刑罰法を適用するもの。
(日本でも内乱罪・通貨偽造罪等の重大犯罪においては、保護主義をとっている)
(外国人が、外国で、日本の通貨を偽造すれば、日本の法によって裁かれる)
2 「場所」に関する法の効力
・日本の法は、原則として、日本の領土、領空、領海に及ぶ。
⇒日本の「船舶、航空機、外国にある公館も日本の領土とみなす」。
(公海上の船舶内、外国の空域における航空機内も、日本の領土となる)
(地方自治特別法、地方自治体の条例・規則等は、領土の一部にのみ適用される)
3 「時間」に関する法の効力
※不遡及の原則
現在の刑法は、その「施行後の事項」についてのみ効力をもつとする。
(要するに、施行前まで遡らないとするものである)
【 施行による効力の発生 】
成立する場合 … 国会で議決されたとき
公布 …法令が、「国民が知ることができる状態」に置かれること
(官報に掲載してなされるのが慣例)
施行 …法令が、一般的に発動し作用すること
(法令に施行の日の定めがる場合は、その日から及ぶ)
(定めがない場合は、「法律は、公布から20日を経過した日」から)
※(条例に施行の日の定めがない場合は、公布から10日を経過した日から効力が及ぶ)
0コメント