民法条文整理 第85条

第85条 (定義)
 この法律において「物」とは、有体物をいう。


重要度:2
メモ書き:解説
【解説】
・民法では、「物」を有体物であると定義している(85条)。
・有体物とは、空間の一部を占めるもののことを言う(有形的存在である)。
⇒自然エネルギー(電気・熱・光など)や権利など有体物以外のものは、無体物と呼ばれ区別している。
・比較法的には、無体物を「物」の概念の外延とする例も存在する。
⇒しかし、現行民法においては、「物」は有体物に限定されている。これは、「物」の概念に権利など無体物が含まれるとすると、「債権に対する所有権」というようなものも認められることになるが、物権と債権を峻別する建前をとる以上、そのような概念を排除するのが適当であると考えられたためである。


※しかし、無体物に対する物権(排他的権利)を認めることと物権と債権を峻別することとの間には、とくに論理的な齟齬があるわけではない。民法は権利の上に成立する物権を認めているし、また、物の概念を「法律上の排他的支配の可能性」にまで拡張解釈する学説もある。



かいひろし法律の部屋

今学んでいる法律の学問を記します。

0コメント

  • 1000 / 1000